「おっ!」 坂木たちがカバンを抱えて教室から出てくる。 取り巻きの連中も一緒だ。 (マズイな……このまま通り過ぎられるか?) 僕は坂木たちに気づかなかった振りをして、足早に通り過ぎようとした。 「逃げんなっ!」 その声と同時に、取り巻きの一人に肩を掴まれる。 そして、そのまま科学部の教室に連れ込まれそうになった、その時だった。