あと一メートル。 走らなかった後悔が襲う。 走っていればもう職員室だ。 勇気の出なかった自分を呪う。 あと……もう少し……。 僕が後一歩で危険地帯を渡りきれるという時だった。 スーッと音もなく教室の扉が開く。 いや、音はしていたに違いない。 トランペットの音で消されていたのだろう。