放課後。 僕は約束どおり馬場先生の所へ向かう。 先生が知っている『何か』を聞き出すためだ。 先生は先生で、僕が知っている『何か』を聞き出したがっている。 利害の一致した交換条件。 だけど僕の手持ちのカードはない。 からっぽだ。 確固たる自信としてのカードはないが、「かま」をかけることぐらいは出来る。 もし、それが的外れなことであったとしても、やっぱり思い過ごしであったと言えば、丸く収まるような気がしていた。