授業は進み、すぐに帰りのHRになる。 今日は各教科毎に、江口さんと話すことが出来た。 これが本当の怪我の功名か、などとオヤジギャグでひとり盛り上がる僕がいる。 だが、このHRが終わり、今日までの授業内容を把握した僕には、明日の会話のチャンスはない。 残念だが、仕方がない。 坂木の攻撃も今日はなかった。 もちろん、細心の注意は払っていたが、視線は感じるものの、何かをやってくる気配は感じられなかった。 でも、それが逆に不気味に思えて、僕は授業中以外、気を許すことが出来なかった。