「失礼します……」 前の方の引き戸を開ける。 今は英語の授業のはずだ。 僕は初老の教師が立つ教壇へと進む。 「あの……」 初老の教師は僕の包帯をちらりと見ると、説明を聞くことなく、顎で席に着くように促した。 さっき、馬場先生と生徒指導室へ行くところを見ていたのだろう。