僕は、僕が自動車と接触したという現場へ来ていた。 わざわざ来たわけでなく、その場所は普段使う、通学路なのだ。 だから、嫌でも通らなければならない。 事故の現場と思われる場所に立つ。 立てば、何か記憶が蘇ってくるかと思ったが、これといって感じることもないし、急に足が震えるということもない。 やはり、事故自体は大したものではなかったのだろう。