「髪ボサボサだな」 車の後部座席──…私の真横から伸びてきた手が私の髪を掴む。 「うっ…うるさい!これでも整えてきたんだから…!」 私は窓の方へそっぽを向く。 全くいきなりそんなこと言わなくても! 「ふっ、悪い悪い。可愛いって」 ──…と思ったら朝から突然甘いセリフを吐くこの男は 正真正銘、私の彼氏 藍河 冬哉[アイカワトウヤ] 私より2つ年上の高3。 もうすぐで卒業を控えている。