「……優しくて、几帳面なとこ」 「へ?」 「俺の初恋、山口さんなんだよ」 「嘘っ!」 「本当。だから同じ学校で、しかも同じクラスになれた時、すげー嬉しかった」 ま、待ってよ。 私が大窪くんを知らない時から、大窪くんは私を好きだったってこと? 何故ゆえ!? 「詳しく聞きたいです」 「本、選びはいいの?」 「今日はいい」 「そ。じゃ、帰りながら話すよ」 私と大窪くんはふたり、微妙な距離をあけつつ。並んで帰った。