◇
長年の習慣というものはスゴい。
意識を失っているにも等しい勢いでぼうっとしていても、料理は作れるものらしい。
ただし、ちゃんと食べられるものを作れたかどうかは定かじゃないけれど。
瑞貴から告白をされて、私は頭が真っ白になっていた。
その日の夕飯も、次の日の朝食も、お弁当も、自分が何を作ったのかほとんど記憶にない。
それでも、自分のお弁当箱にはちゃんとおかずが詰まっていて、
味は抜きにしても一応食べられるものは作っていたんだなと安心した。
けれど――
「一歌、なんか悩みごとでもあるの?」
真正面から声を掛けられ、私はお箸を持ったまま固まった。


