「……は?」 「だ、だから」 頬が熱くなる。 瑞貴の目線から逃れたい衝動を必死に抑えた。 だめ、逸らさない。 あたしは真剣に言ってるんだから。 見つめていると、弟は目を怒らせたまま笑った。 「は、なんだよそれ。俺の成績が落ちてるのが心配なわけ?」 「え……?」 「受験生だから、とりあえず勉強させるために身体を差し出すのかよ」 椅子に座ったまま自虐的に笑う。 その表情に胸が詰まった。