◇ 改めて思う。 私は打算的で、ずるい女だ。 昼間はまだ蒸し暑いけれど、日が落ちるのは格段に早くなった。 夕暮れが窓から染み込んできそうなリビングに、人影が3つ。 テレビの前に胡坐をかいた瑞貴と、対峙するようにソファに座るエリカちゃん。 そして彼女の傍らに、正座している私。 「なんの用だよ」 居心地悪そうに首をすくめている弟に、 「余計なお世話を焼きにきたのよ」 エリカちゃんは余裕の笑みを見せる。