瑞貴の唇が口元から降りていき、首筋をつたい、鎖骨に触れる。 「ちょっと、待っ」 いつの間にか裾から入り込んだ指が、肌を直に撫でた。 そのまま私の身体を這い登って―― 「瑞貴」 呼吸を乱しながら、身体に触れる手をどうにか押さえた。 姉の小さな抵抗に、弟は動きを止める。 「……なに?」 その目は、濡れて光ってるみたいだ。 心臓が揺らいでしまう。 それでも。 「ちゃんと考えよう、2人で」 答えを見つけないまま、先に進んでしまってはいけない。