「なんとなくだけど、ずっと元気がないようなので」
「……」
大人の人ってみんなこうなのかな。
鋭い観察眼と周囲を思いやる余裕。
久保さんを見ていると、つい弱気になってしまう。
「いろいろ考えることはあるんですけど、友達には話せなくて」
「どうしてですか?」
「え……」
身を屈めて私の顔を覗き込んでいる久保さんの表情は穏やかだ。
「どうして話せないんですか?」
「だって……」
ほんわりとしたユリの顔が思い浮かぶ。
その横に、豪快な笑みを見せるエリカちゃんが並んだ。
「信頼できない?」
久保さんの言葉に首を振る。
ユリのことも、エリカちゃんのことも、誰よりも信頼してる。
でも2人に瑞貴とのことを話したら……
「幻滅されるかも、しれないから……」
弟と恋愛なんかして、気持ち悪いって思われるかもしれない。


