*正しい姉弟の切愛事情*




深いブルーの医療着と薬品の匂い。

私が苦手な病院の雰囲気の中、久保さんの笑顔は清々しい。


「あたし、笑って……」


そういえば最近、声を出して笑ったっけ?


黙り込むと、彼は優しげに眉を下げた。


「溜め込まない方がいい。誰かに相談した方がいいですよ」


はっとして見上げると、久保さんは凛々しい眉をひょいと持ち上げた。


「あ、別に僕みたいな不審者に話せってんじゃないですよ」


ふ……


「不審者って」
 

思わず笑ってしまった。

久保さんみたいな健やかな人が、自分のことを不審者なんて。


笑い出した私を見て、彼は表情を和らげる。