なに? 元気だして……って。 あたし、元気なかったのかな? 歩きながら、自分の胸に手を当てる。 確かに、瑞貴のこととか石川君のこととか、考えなきゃいけないことばかりでここのところ気持ちが疲れていたかもしれない。 それを、久保さんは見抜いたの――? まだ2回しか会ってないのに。 いくら大人だといっても、あんなに鷹揚そうな人が―― 「一歌っ」 「えっ」 気がつくと、瑞貴が険しい表情でこちらを見ていた。 「な、なに?」 思わず身を引くと、弟の涼しげな目がきつく細まる。