このあいだ瑞貴に怒鳴られたことで、無意識に身体が弟を警戒してるのかもしれない。 余計なことすんなよとかって言われたらどうしよう。 ――なんていう心配は、次の瑞貴の声で杞憂に終わった。 『……じゃあ夕飯はいいから、今日は夜食作ってくんない?』 「夜食? おにぎりとかでもいいの?」 『全然いいよ。梅干じゃなければ』 「はーい、了解」 瑞貴は小さい頃から梅干が苦手だ。 やっぱり、瑞貴は瑞貴だよね。 体がちょっとくらい大きくなったからって、何も変わらない。