鼓動が激しい。 病院、という言葉は、嫌な記憶を掘り起こす。 最初の母親は病気が重く、病院のベッドで亡くなった。 2人目のお母さんも、交通事故の現場から病院に運ばれて、そのまま面会させてもらうことすらできずに他界した。 幼かった私にとって、病院は治療するところではなく、大切な人を奪い取る死神の住家だった。 びょういん そのたった5文字に、私は未だに過剰な反応をしてしまう。 もう絶対にイヤだった。 大切な人が、目の前からいなくなるなんてことは。