「持ってくから」 断定的に言われ、もうそれ以上何も言えなくなってしまった。 瑞貴はまっすぐだ。 その気持ちを知らなかった頃は、反抗期だとか、受験のストレスでイラついているんだとか勝手に思っていたけれど、あれはきっと自分自身に苛立っていたんだ。 と、今なら分かる。 なぜなら、いったん気持ちを吐き出してしまった後の瑞貴はとても素直だから。 強引に迫ってきていた時期も、やめると言った後も、自分に正直というか、 とにかくまっすぐだ。 いろいろと考え込んでしまう私とは、正反対で――