弟は弟、 大事な家族に変わりはない。 血の繋がりがないからって、なんの障害にもならないし、 そもそも普段生活をしてる上でそんなことは考えない。 だからこそ、戸惑った。 弟から向けられた家族愛を超えた感情に。 瑞貴の口から好きだと告げられ、禁忌にはならないとばかりに「血の繋がりはない」と言われて。 胸の中にうずまくのは、うまく言葉に表せない、灰色のもや。 ぐるぐる、ぐるぐると、大切な何かを隠すように――