確かに、『弟』だから、好きになっちゃいけないのかもしれない。
でも、瑞貴も言っていたように、私たちは血が繋がってるわけじゃない。
よく言う禁断の恋というものとは、厳密に言うと違うような気もする。
でも私の中にずっと引っかかってるものがあるのは確かだ。
「好きになっちゃ、いけなくは、なくもないような……」
「なにそれ、どっちよ」
曖昧な私の言葉にエリカちゃんが吹き出す。
重苦しくなっても仕方がないような空気の中、エリカちゃんの存在はある意味ありがたい。
「ええと、社会通念上はいけないというか……」
言葉を探しながら答えると、美人姉妹は顔を見合わせた。
