「いいじゃない! いまどき強引なオトコなんて稀少生物だよ。今カレが好きじゃないなら乗り換えちゃいなさいよ」
恋愛話が大好きなエリカちゃんは、私に降りかかった事態が羨ましいとでもいうみたいに目をきらきらさせている。
「そんな簡単じゃないんだもん……」
水玉のベッドに寄りかかりながらため息をつく。
と、正反対の姉妹はよく似た大きな目をぱっちりと開いて詰め寄ってきた。
「何か問題でもあるの?」
優しく声を出すユリの横で、
「分かった! 好きになっちゃいけない人とか? 一歌の年じゃ相手が妻子持ちってことはないだろうけど……」
微妙にずれつつも鋭い分析をするエリカちゃんに体がこわばる。
「えっと……」


