数日前、強引に唇を奪われて、告白された。
石川君がいるって分かってるのに、どういうわけか拒めなくて、しかも心地いいとまで感じてしまう自分がいる。
「あたし、変だよね?」
瑞貴の名前を伏せて、ここ数日の出来事を話すと、目の前の美人姉妹は揃いもそろって口を開けた。
「そんなことになってたんだ……」
「すっごいじゃん一歌! ていうか強引に唇奪われるって! 聞いてるこっちがドキドキすんだけど!」
反応は正反対だ。
はしゃぐ姉をひとにらみするとユリは私を見上げた。
「別に、一歌は変じゃないと思う。石川君よりそっちの人の方が好きなのかなって感じはするけど……」
そんな落ち着いた口調に心臓が早まった。
「うそ、そんなはずは……」


