「さっき抱きついたときにオトコの匂いがしたぞー」 細い指先で私の唇をちょんと突く。 その瞬間、瑞貴との艶かしいキスが思い出される。 「わ、真っ赤になった!」 エリカちゃんが楽しそうに目元を緩めた。 「あらら図星だったの? カマかけただけなのに。一歌ってば純真なんだから」 「もー、お姉ちゃん」 ユリが助け舟を出そうとしたとき、 「そんな顔しちゃって、やーらしー。さあ吐け、彼氏とどこまでいったんだね一歌くん?」 エリカちゃんがさらに突っ込んだ質問をしてきて、私はますます動けなくなった。