「ボコる・・・。」


「しょうがねぇだろ。白狼の幹部以上に秘密はなしって決まってんだから。」



あぁ、そういや女だってバレたときに、陽もそんなこと言ってたな。


ふむふむ。それならしょうがな・・・くはないけどな。

うん。だってそれ白狼の事情だし。

んなもん知ったこっちゃないし。



「ま、俺にはお前が狩人だろうとどうでもいいけど。」


おぉ。

なんかもの凄くいらぁっとくるお言葉ありがとうよ。




「とにかく何でお前がここにいんだよ!!!」


・・・あ。結局そこに戻るのね。

まぁわかってましたけどもねー。



私は彼方ではなく哉の方を真っ直ぐに見つめた。

幸いなことにこの双子は髪の色が違うからどっちがどっちか一目でわかる。





「決まってるでしょ?緋月ちゃんを助けに来た。」


「だろうな。いやぁ、にしても情報回るのが早いねぇ。俺ビックリ~。」


へらへらと哉が笑う。

ニセモノの笑顔だ。




「私こそビックリだよ~。

今日哉はメイクバッチリお姉さんと寝るのかと思ってたから。

そしたらまさかの緋月ちゃん誘拐!いやぁ、たまげたわぁ。」