私は最強ビンボー女!

驚きで目を見開いて、玄関の前で正座をしている2人を見れば。


2人は揃って私に笑いかけた。




「お帰り、青菜。遅かったね。」


口を開いたのは、葉月。

2人とも顔がそっくりだけど、葉月の方が髪が長いから、見分けはつく。



「あ、うん。ただいま。ちょっと・・・色々あってさ。

葉月は早いね。」


「あ、いや、早いっていうか・・・緋月が来てたのよ。」


「へ」


私はパッと緋月ちゃんの方へ視線を向けた。

緋月ちゃんは、恥ずかしそうにはにかみながらも口を開く。


「あの・・・私、ドキドキして・・・・・・待ってられなかったっていうか・・・

居てもたってもいられなくて・・・つい・・・・・・」




あぁー・・・成程。


「確かに、緋月ちゃんからしたらそうだよねぇ~」



うんうん頷きながらも、私はふと不安になった。


だってここは・・・全国№1を争う暴走族の総長がいる学校。

いわゆる不良校、だ。


そして、緋月ちゃんはどこからどう見てもか弱い美少女って感じ。



となると、ある予想がつく。



「でも、緋月ちゃん、不良にからまれたりしなかった?」