「青、お仕置きしよっか★」

「あは☆遠慮しときます☆」


空笑いをするも、襟は捕まれたままであり、逃走は不可能。


とりあえず日岡さんの顎に、頭突きをぶっかましてやろうとしたところ――


「葉月はどこだと聞いているんだ。」

「ぐぇっ」


逆にぐいっと襟を後ろに引っ張られ、窒息寸前の事態に!!!

死ぬ!!!マジで死ぬ!!!!!!


必死にばたばた両手を動かせば、幸運にも、右手が日岡さんの頬に大ヒット!


一瞬日岡さんが力を緩めた隙に、私はサッと日岡さんから離れる。



「殺す気なの!?」


ふるふると震える指で日岡さんを指差せば、日岡さんが露骨に嫌な顔をした。


「指差すなよ。ついでに、殺そうとなんて思ってない。

葉月がどこにいるのか青菜が答えないのが悪い。」


「今、それどころじゃないんだよ!!!大魔王に『地獄を見たい?』って囁かれたばっかなんだよ!!!」


「青。大魔王って僕のことかな?

ふふふふふ・・・そんなふうに僕を呼ぶなんて・・・青菜も根性あるねぇ?」


「ひぃっ!!!」


そういや杞憂さんもいたんだった!!!
ヤバイ!完璧、墓穴掘った!!!


のぉぉぉぉぉぉ・・・と、呻き始めたとき。


「あ、そういえば理事長でしたよね?

俺、今日からこの高校に赴任することになった日岡朔です。

よろしくお願いします。」


・・・・・・・・・なんか、幻聴が聞こえた。