目の前にはどっしりとした門。

その奥に見えるのは、和風の巨大なお屋敷。


周りは木、木、木、木、木・・・



ここに来るのは、何度目だろう。

数え切れないほど来た。


でも。

こんなに緊張したのは、初めて来たとき以来だろう。




「行こうか。」

日岡さんが促す。


葉月が頷き、私も静かに頷いた。




守るだのなんだの思っていても。

作戦なんて何も無い。


だって私は、暗殺を見たことなんてない。

知識は頭に叩き込まれたけど。




出たとこ勝負。

私はコレだけ。


でも、頭の悪い私らしいと思う。

虚しいけども。






カラリ


そんなことを思っていたら、葉月が戸を開けていた。



私は、黙って中に入る。