「まぁ、とりあえず、私のことは置いといて。

私は翼のことを聞きたくて来たんだよ。」


「俺のこと?」


「そう。翼の瞳の中にある翳り・・・“孤独”について。

前、話そうとしてくれたけど、邪魔が入っちゃって、結局聞けなかったじゃん?

だから、聞きたいなって思って。」


「・・・・・・青菜見てると、自分がすっげぇ情けなくなる話なんだけど・・・」


「聞かせて。どんなくだらない話でもいいから。お願い、聞かせて。」



真剣な瞳だった。


俺の心を全て見通すような、澄んだコバルトブルーの瞳。




「私、ちゃんと翼のこと知りたいの。

皆のことも。


だから、教えて?」




真っ直ぐな強い視線に、俺は1つ頷いた。







―――俺も、青菜に聞いてもらいたい。



そんな思いが、わいてきた。




―――青菜のような強さが、俺もほしいから―――