誰も、頼ることなんて、できないと。 1人で、また歩き始めるしか、道などないと。 そう、幼いながらに、私は悟っていたんだ。 ――親の温もりなんて、知らない―― 自分のことは、自分でやる。 誰にも、頼らない。 たった1人でも、前だけ向いて歩く。 心の中で、そっと自分に言ったのは、もう少し先のことだったかもしれない。 ―――今は、ハッキリ言えるよ。 私は、1人で、前だけ向いて、歩いて行くと。 後ろなんか、振り返らないと。 ちゃんと、自分に言えるよ―――