俺はそっと土井を見た。


紅狼総長である土井も、この喧嘩には呆れているのか、興味がないのか、無関心だ。



土井は、青菜を見ていた。

じっと、見つめていた。
熱いまなざしで。



・・・・・・・・まさか、こいつ・・・・・・・・?





その時――

青菜が、パッチリと目を覚ました。



「・・・・・おはよ。なんか騒がしいと思ったら、喧嘩?」


俺は苦笑いした。

「ああ、悪い。起こしてしまったか。」


「別にいーよ。俺、回復早いし。」

そう言い、のびをする。


そして、急に慌て始めた。




・・・・・なんだ?





「よ、陽!い、いい一時間目って何だっけ!?」


「一時間目?確か数学・・・・・」



言い終わらないうちに、ガクゥッと項垂れる青菜。





「終わった・・・・・・」