助けられたあの時から・・・ずっと、惚れてたんだ。

やっと、会えたのに・・・・・


他の男に渡すわけないっ!!!





「え~・・・やだよぉ。僕がもらうー!!」

ぷぅっとふくれる桃榎。


「別に白狼総長なんてどーでもいいから。俺、遊びでいーし。」

さらっと、とんでもない事を言う哉。


「・・・・・哉、お前、つくづく気に入らない。」

ドスの利いた声を出したのは彼方。



「なんだよ?別に女嫌いなんだろ?傷つこうがなんだろうが、関係ねぇだろうよ。彼方にはさ。」

気楽に言い返す哉。





・・・・・・・・・・・・・ああ、また始まった。


年中無休の恒例行事。

横江双子の口げんかだ。

暴力沙汰になるのことも、よくある。


はぁ・・・とため息をつく。

この双子の仲の悪さは異常といってもいいぐらいだ。




家のゴタゴタが原因で、仲が悪くなったという噂だが、詳しくは知らない。

話さないのなら、聞かない。だが、話してくれるなら、真剣に聞く。
それが、白狼だ。



だから、彼方が話さない限り、詳しい事はわからない。


・・・まぁ、別にそれでもいいから、特に気にしてはいない。