…クソ。


乙葉のせいで、最近ずっとこれだ。


虎ちゃんの乙葉病は、いつまで続くのか…。


おかげで、生傷が絶えねーっつの。






2時間目、ホントなら世界史の授業だけど


世界に全く興味のない俺は、


授業をサボるために、屋上にやってきた。


ゴロンと横になり、空を仰ぐ。


やべぇ…眠い。


横になったら寝るしかない。


俺は静かに、目を閉じた…。







――ガサゴソ。


…ん。


なんだか尻がくすぐったい。


なんだ?


ハッとして目を開けると、俺の上に男が馬乗りになっていた。


しかもその手には、なぜか俺のケータイ。


「…お前、なにしてんの?」


いつもなら、有無を言わさず殴ってるところだけど、人質をとられてることでうかつに手を出せないでいた。


だってさ、ケータイには俺の大事な弥生ちゃんからのメールがたくさんストックされているから。


ケータイを破壊されでもしたら、


俺、もう生きていけねぇかも。


ってのは大げさだけど、そのぐらい大切だってこと。