「なぁ、今日の乙葉どうだった?」


「え。今日の乙葉って?別にいつも通り、冴えない感じで家出てったけど……って痛ぇっ!!」


いきなり虎ちゃんに頭を鷲掴みにされた。


「あんなかわいい妹つかまえて、冴えないってどーいうことだぁ!?」


「俺は真実を…うぎゃあっ!あー、ウソです、ウソです!!

今日も眩しい笑顔を俺に振りまいて出かけて行きましたーっ」


「…だよな。アイツ、登校中にナンパされねーかな。心配だ…」


真剣に悩んでる虎ちゃんは、俺からしてみれば無駄な心配をしているわけで。


あの超地味女の乙葉が、ナンパなんてされるわけがない。







「…ありえねぇ」


独り言を言ったつもりが、虎ちゃんには筒抜けだった。


そのあと俺がヘッドロックをかけられたのは、言うまでもない。