「……――ちょっと、あれ見て!!」 「嘘。どうしてあの二人が……?」 「えぇ~、付き合い始めたのかな!?」 放課後になって星哉が教室まで迎えに来ると、辺りは大騒ぎになっていた。 星哉はそんなのおかまいなしっていう感じに表情一つ崩さない。 「ほら、狼谷君きたよ!!桃華、楽しんできてね」 「うん。また明日ね」 「明日、今日の話色々聞かせてね!」 「了解です~!!」 沙希にポンッと背中を押されて、星哉のもとへ向かう。 それだけのことなのに、なんだかドキドキして心臓がおかしくなりそう。