狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】


「っ……――」


絶対にただじゃ済まない。


手の落書きに気付いたら、確実にブチ切れるはず……。


眉間にしわを寄せてこちらを睨みつける狼谷君。


突き刺さるように鋭い視線に顔が強張る。


もうこうなったら……先に謝るしかない?


あぁ、でも謝った瞬間にパンチが飛んでくるかも。


顔はさすがに避けるよね……?


でも、お腹は痛い。


腕だったらきっとアザができちゃう。


って、ダメだ。ちゃんと謝らないと。


あたしが絵を描いたのは、紛れもない事実なんだから。


よしっ、ちゃんと謝ろう。


覚悟を決めた時、


「これ……何だ」


あたしが謝るよりも先に、狼谷君が手の甲に書かれたウサギの絵に気が付いてしまった