おいでよ、嘘つきさん。


「ちょっと、本気で言ってるの?」


メリアは、少し苛立ちながら聞きます。

アルストロは申し訳なさそうに答えます。


「いや〜、人の顔を覚えるのは不得意なんだ。申し訳ない。」


「よくそれで仕事に支障が出ないわね。信じられないわ」


「はは。本当だよ、自分でも驚く。ただ、仕事に関しては不思議と頭が働くんだよ」


「つまり、私には興味がないって事ね?」


「いや、いや。そんな失礼な事は…」


「なら、思い出してみなさいよ」


メリアはアルストロを睨みつけます。

アルストロは少し困った顔で悩んでいます。

可愛らしい笑顔を見せ、可愛らしい栗色の瞳でメリアを見つめます。


メリアは、そんなアルストロを手に入れたくて堪らなくなるのです。

すると、急にアルストロはパッと明るい表情になりました。


「思い出した!あのパーティーで出会った人だ!」


アルストロは満面の笑みで、メリアの手を握ってきました。

メリアは驚きます。


「いやぁ、久しぶりだね。びっくりしたよ!えっと、名前は?」


「メ、メリアよ…」


「そうか、メリアか。よろしく」


そう言うと、アルストロは掴んだ手をブンブン振り握手をしてきたのです。

メリアは口が開いたまま、呆気にとられます。