おいでよ、嘘つきさん。

アルストロは微笑み言います。


「そうなんだけど、ここからの海が1番好きなんだよ」


「へぇ。私には海は全て同じに見えるわ。アルストロって芸術肌なのね」


「いや、そんな事はないよ。えっと…、ところで…。その…」


「ふふ、何よ?アルストロったら」


アルストロは苦笑いをしながら答えます。


「申し訳ない。貴女とは、どこかでお会いしましたか?」


メリアは驚きます。

アルストロはメリアの事を覚えていないのです。

こんな事は、今まで一度もありませんでした。

メリアは印象的な女性です。

忘れたくても忘れられない雰囲気を持っているというのに、アルストロはすっかり忘れていたのです。


「本当に頭大丈夫?」


メリアは目眩がしました。