おいでよ、嘘つきさん。

メリアは近くの席につき、アルストロを見つめました。


「気づけ…!!」


力強く熱い視線をアルストロに送ります。

しかし、アルストロは窓の外の景色をぼんやりと眺めているだけ。

メリアの熱い視線に気づく様子もありません。


「少し、お馬鹿さんなのかしら…?」


鈍感なアルストロに、いじらしさを感じメリアはソワソワと落ち着きがなくなります。


「んんっ!」


咳ばらいをしてみます。


しかし、アルストロは何の反応もなくコーヒーを飲み和んでいるのです。


「こっちから声をかけろっていうの!?信じられないわ!」


メリアは、アルストロの鈍感ぶりにさすがに呆れてきました。

すぐ近くに美女が座り、ずっと見つめているのに気づかない男性。


「まさか、女を知らないなんて事ないわよね…?」


メリアはアルストロを見つめながら思います。

子供のような純粋な瞳のアルストロを見ていると、メリアの疑いも的外れではないように思えてくるのです。

しかし、その可愛らしさがメリアの胸を掴み離さないのも事実。


「仕方ないわね…」


メリアは立ち上がり、アルストロの席へと向かいました。