ふと、目線を先生へと向けるとまだ話は続いていた。
周りを見ると、机に伏せて寝ている人もいる。
…なんで注意しないんだろと思いつつもまたあたしは本の世界へと入って行った。
「ありがとうございました」
やっと授業が終わった。
今日は5時間だから、これで帰れる。
嬉しいことだけど、あたしは家には帰りたくない。
少し、寄り道して行こうかな?
お腹も減ったし…
黒板に“今日はHRなし”と書いてあったからあたしはバックを持って教室を出た。
下駄箱に行くと、もうすでに数人いて。
上履きをしまってたら後ろから声を掛けられた。
「優心ちゃん、バイバイ」
「あっ長瀬くんバイバイ。部活?」
「俺のこと覚えてくれてたんだ。そう部活なんだ」
「覚えてるよ!頑張ってね」
「おう!そーえばさ、春樹となんかあった?」
「えっ?」
「昼休み帰って来たときなんか落ち込んでる様子だったからさ。優心ちゃんとなんかあったのかなって思ってさ」
「そっか。あたしが悪いんだよね」
「そっか。でも早く仲直りしてな。まぁ俺が慰めてやるけど」
ニコっと笑い、長瀬君はグランドへと消えてった。
あたしはローファーを履き学校を後にした。