あふれるほどの愛を


キーンコーンカーンコーン

授業の始まりの五分前を知らせるチャイムがなった。

だからか、続々とみんなが戻ってきた。

あたしは、窓をしめ、自分の席へと座った。


「きりーつ。礼、お願いします」

授業が始まった。

あたしが二番目に嫌いな理科だ。

聞こえてくるのは、理科系の話じゃなくてプライベートの話だ。

「先週の土曜は、博物館に行って来てーーー」

誰一人そんな話聞いてない。

みんなは近くの人と話をしたり、違う教科のワークをやってたり、中にはケータイをいじってる人もいる…

まるで、自習のよう。

話をしてても、先生は注意しないからみんなは止まらない。

あたしも、バックの中から本を取り出し読み始めた。