あふれるほどの愛を


「学校着いたぞ」

「うん」

今、学校の門の目の前いる。

電車の中ではお互い一言も話さなかった。

もちろんここに来るまでも。

「行くか」

「ここからは一人で行くよ」

「なに言ってんの?」

「坂井と一緒に学校来たなんて他の子達にばれたら大変じゃん」

「なんだ。そんなこと?」

「そんなことじゃない!坂井は人気者だよ?!ばれたらあたしなにされるか」

「人気者だろうか、関係ないだろ。もしばれても俺が守ってやるから問題なし」

「絶対無理だね」

「まぁいいけど、早く行くぞ。みんな来るぞ」

俺は、ぶつぶつ言っている愛川の手を掴むと教室へと足を進めた。