あふれるほどの愛を


「愛川ー?終わったか?」

「あとちょっと」

その返事何回目だよ。

俺はリビングで着替え、愛川は寝室で着替えたんだけど…

愛川が出てこない…。

入るわけにも行かないし。

そう思ってると、ガチャとドアか開いた。

遅いと言おうとしたのに…

愛川を見た瞬間そんな言葉は吹っ飛んだ。

「可愛い…あっ!いや。髪型縛ってるの始めて見たからさ」

俺は慌ててしまった。

完全に怪しい人だな。

でも、本当に可愛かった。

珍しく二つに縛っている。

目の前の愛川はというと、顔を真っ赤にして。

「ふざけないでよ」

と言っていた。

「坂井、おまたせ。行こう?」

「うん行くか」

完全に話をそらしたな。

まぁいっか。


ーーーガッチャン

「よし、行くか」

俺の家から学校までは近い方だ。

電車には乗るけど、二個の駅を過ぎると学校だ。