side春樹
愛川が泣きながら話してくれたことが、俺の頭の中をぐるぐると回っていた。
あいつ…一人であんな辛いこと背負ってたんかよ。
だからかぁ。
昼間、家には帰りたくないと言ったんだ。
あの日ももしかしたらそうだっったのかもしれない。
初めて愛川と会った日も、なにかあったに違いない。
あの時の愛川も今にも消えそうだった。
俺の腕の中で眠る愛川を見つめると、頭を撫でた。
そして言葉をこぼした。
「ごめんな…気づかなくて。でも、俺が守るから」
俺に何ができるのか正直わからない。
でも、また見たいんだ。
あいつの…愛川の心から笑ってるあの笑顔を。
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それから俺は愛川の元を少し離れて、シャワーを浴びて、愛川の隣で目を閉じた。
でも、寝れなくて。
目を閉じて浮かんでくるのはさっきの愛川で。
でも、寝ようと目を閉じた。

