しばらくして、坂井が口を開いた。 「話してくれてありがとな。愛川がこんなにたくさん一人で抱えてたなんて知らなかった。でも、一つ。俺はおまえが必要だぞ。居なきゃ困る。今日は思うぞんぶん泣けよ。ずっと、隣にいる」 「うわーん」 坂井の言葉を聞いて、また涙があふれだした。 坂井…ありがとね。 そう、心につぶやいた。 そして、坂井の腕の中で目を閉じた。