きっと、坂井なら喜んでくれるとおもう。

あたしは思い切って口を開いた。

「よかったらさ、あたし料理作るよ」

言っちゃった…

坂井の返事がない…

そう不安に思った頃、

「マジで?やったー」

隣を見ると、坂井はガッツポーズをして喜んでいた。

「そんな喜ぶことじゃないでしょ」

「やっ、嬉しいよ。愛川が作った料理食べれるなんて」

えっ?そんなこと言ってくれるなんて。

すごく、嬉しいな。

まぁ、期待されてるみたいで、緊張するけど。

「キッチン借りるね」

「どーぞ。好きに使っていいからな、あっ!これ」

坂井から手渡されたのは、エプロン。

「俺、料理しないからさ。それしかないんだけど、我慢して」

そのエプロンは、青のドット柄だった。

「平気だよ。あんまり期待しないでよ」

「ははっ。期待してるよ」

なに作ろうかな。

冷蔵庫の中を見ると、卵、人参、肉などが入ってた。

ふと、食器棚のほうを見ると、買ったばかりだからなのか袋に入っている玉ねぎを見つけた。

あっ!オムライスにしよう。

「愛川!大丈夫か?」

「うん」

「冷蔵庫の中あんま入ってないよな?必要なものあったら俺買って来るよ?」

「平気。オムライスにしようと思うんだけど…」

「俺、オムライス大好物なんだよね」

「そっか。よかった。あの玉ねぎ使っていい?」

あたしは、さっき見つけた玉ねぎの入った袋を指差した。

「いいよ。俺もなんか手伝おうか?」

「だ、大丈夫」

「そーか。なんかあったら呼んでな」

じゃ、作るかな。

あたしは、ブラウスをめくり気合いを入れた。