あふれるほどの愛を


「ココすごいね~」

「だろ?せっかく来たからさ、この周り歩きながら回ろうぜ」

「うん」

「わぁ~キレイ。なんか癒されるな~」

たくさんのチューリップを見てると、なんか辛いことも吹っ飛んじゃう。

「ありがとね、連れてきてくれて」

「本当良かった。笑顔になってくれて。目元はもう大丈夫なのか?」

あっ……
忘れてた。確かバックの中に鏡が入っていたような…

あたしは、バックの中に手を入れて探り始めた。

「あったー」

あたしが大声をあげたからなのか、坂井は「なんだよ!?」と声をあげた。

「あ…鏡あったから」

「なんだよ、びっくりしたじゃんってか見てみろよ、目元」

「そうだねってか、坂井がみればいいじゃん‼」

そうだよ…わざわざ鏡で見なくったって、坂井が目の前にいるのに。

まっいっか。

鏡を目元に近づけると、

うわっ、真っ赤だ。

「最悪だ…」

なんてあたしがつぶやきと、

「さっきよりはましにはなっただろ?お前は知らないかもだけど、さっきはやばかったぞ」

そうなんだ。

昨日あたしどんだけ泣いたんだろ…?

「ってかさ、昨日なんかあったろ?しつこいって思われてもしょうがないけどさ、力になりたいんだよ、愛川の」

「なに言ってんの?あなたに話したからって何かが変わるわけ?変わるわけないでしょ」

「そんなのわかんねーじゃん」

「そんなの分かるよ!」

あたしだって、誰かに悩み話した事くらいある。

けど、いままであたしの話を真剣に聞いてくれた人なんか居なかった。

陰では、悪口ばっかり言われて、その度あたしは傷付いた。

「どうせ坂井もあたしのことバカにしてるだけなんでしょ?」

あたしは気付いたら、こんな言葉を口にしていた。

坂井もあたしの言葉に一瞬驚いた顔をしていた。でも、すぐ真剣な顔をして。

「なんだよそれ。んなわけねーだろ。俺は真剣に…お前を。愛川、いいか。愛川お前になにがあったんだかわかんねぇけど、俺はバカになんかしねーよ。」

そういった坂井の顔は、真剣であたしの目をまっすぐ見つめていて。

「あっそ」

本当はこんな言葉が言いたいわけじゃないのに…心は信じちゃダメだと叫んでる。

ごめんね…もうあたしは誰も信じたくない。

裏切られることほど、辛いことなんかない……

あたしなんかほっといてよ……