電車に乗ると、中は意外にすいていた。
席が空いていたから、そこに腰を下ろした。
あ~なんか眠たくなってきた。寝ようかな?
昨日結構寝てたはずなんだけどね。
電車に揺られてウトウトしてきて、我慢も限界になり始め、寝ようとした時、
「坂井!?」
目の前に見たことある顔があって、気づいたらその人に声を掛けていた。
「愛川?なんでこんな時間にここに居るの?」
「あんたにその質問返すけど?あたしは寝坊したの!!」
「俺は、なんとなく?でも愛川に会えたしよかった」
なんて坂井は笑顔で言うから、戸惑った。
だけどあたしは
「あたしは会いたくなかった。朝から最悪」
「そんなこと言うなよ。てかさっきから気になってるんだけど、目元どうした?腫れてるぞ」
「え?うそ?!」
パニックになるあたしに対して坂井は
「これで冷やしとけ」
と冷静に言ってあたしに保冷剤を差し出した。
「なんでこんなの持ってるの?」
「いーから。女子なんだから跡ついたら大変だろ」
なかなか受け取らないあたしに坂井はあたしの手を取って持たした。