「だからって過去はなかったことには…できないでしょ」
「そりゃ、過去だからな。でも過去のことでわかったこともあっただろ?」
過去でわかったこと?
「そんなのない」
「本当にそうか?
心友が自分にとってどんな存在だったわかっただろ?」
欠けてはならないもうすでに自分の一部みたいなものだった。
愛華がいるから、笑える、泣ける。
楽しめる、喜べる。
一人じゃできないことも二人ならできた
強くだってなれた
「愛川にとって愛華ちゃんは大切な存在だったってことがわかっただろ?」
「大切な存在だってわかったって失ったら終わりじゃないっ!得たものなんてなにもない」
「辛かった、苦しかった…けど、それは過去だ。過去に縛られてる今だって一秒一秒ずつ過去になってくんだぞ。
それに今、お前の隣には愛華ちゃんいるだろ?」
「愛華が隣にいるからってあの時と変わらないわけじゃないでしょ?
あたしたちの間には距離がある。
その証拠に
怖いもん…信じることが」
「無理に信じなくていんだって。
愛川が、過去から今を見られるようになった時に、信じられるんじゃねぇの?」
「過去から今…?」
「過去をなかったことにできない、だからといって戻れるわけでもない。
俺もわかんねぇけど、
信じるってことは、相手と心が通じ合ってるってことなんかなって俺は思う。
信じてたって時に、疑いを持つこともあるかもしれない。
お前が愛華ちゃんを信じれた時が、本当の心友になったっていう証拠ってことだな」
「心友は、なろ?って言ってなるもんじゃねぇだろ?自然と気づいたらなってるもの。信じることもそうだろ?」
「そう、なのかなぁ………」
信じること……
をこんなに深く考えたことなんて今までなかった。
愛華を失わなかったら、こんな想いしないですんだのかな
純粋の心のままでいれたのかな?