「あたしね、坂井が目を覚まさないかもって聞いたとき今までに感じたこともない感情に襲われたの。坂井がいなくなるって思ったら、もう声も聞けない会えないって思ったら、今すぐ自分の気持ち伝えたくなったんだ。

坂井が好き…//」



「反則だろ…それは」


「坂井真っ赤♪」


「お前が悪いんだならな。俺の理性崩すことするから」


「あたし悪くないもーん!」


「余裕なのも今だけだからな」


その意味が今のあたしには分からなかった。


分かるのはもう少し先のこと。


「でもよくこんなとこ見つけたね」


「探すの大変だったけどな。ここにきた時、次は愛川を連れてこようって決めたんだ。1人でもここの景色は綺麗だけど愛川とみたほうがもって綺麗なんだろうなって」



「ありがと!2人だと見える景色が変わるのかもね」


「だな」



高いところから見る町の景色は、嫌なことを忘れさせてくれた。



隣に坂井がいてくれてる。


たったそれだけのことで強く慣れた気がした。


「愛川…」



ーーチュッ


振り向くとリップ音を立てて頬にキスされた。



ぼっと顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。


「そんなんで真っ赤になってたらこの先が思いやられるぞ」



「あたし、本当に坂井の彼女になったんだね」


「当たり前だろ?俺の彼女って自覚もてよ」



「うん///」




周りには誰もいなく、それがまたドキドキさせた。