「ね、ねぇ!あたしなにかした?」
「んでそう思うわけ?」
「さっきから坂井の様子が変じゃん。だから何かしちゃったのかなって」
「ぎんだよ…ッ」
「えっ」
「だから!可愛すぎんだよ…!そのカッコ」
「態度がおかしかったのは…」
「お前が可愛過ぎっからだよ。ってかこんなこと俺に言わせんなよ///」
「えっ///うそ?!」
「うそで言えるかバカっ」
「嬉しいよ…///」
「なぁ、勝負しねぇ?」
「なんの?」
「金魚釣りで多く釣った方の言うことを聞く!決まりだな」
「ちょ、ちょっとぉー!」
急いで、大きな坂井の背中を追っかける。
「制限時間は5分な。多くつれたほうの言うことを聞く。ぜってぇ負けねぇよ」
「よーい、ドン」
おじさんの合図で始まった。
ーーー「そこまで!」
「お兄ちゃんが15匹。
お姉ちゃんが5匹。
お兄ちゃんの勝ち!」
「ま、負けた」
「俺の言うこと聞いて。
まずはお祭り抜け出すぞ」
「え?いみわかんないんだけど!」
「いいから着いて来いって」
「あたし浴衣で走れない」
「ったくしょーがねーな。乗れよ」
そう言って坂井はかがむ。
「あたし…重いよ…?」
「んなの分かってる」
「おもっ。」
ーーぼこ
持ってたバックで頭を叩いた。
「イデ…!嘘に決まってんだろ」
「どこ行くの?」
「秘密だ。負けたんだからおとなしく言うこと聞いてればいんだよ。電車乗るけど大丈夫か?」
「平気」
***
何時間たっただろう?
「愛川!着いたぞ」
ん?
真っ暗だし、なにも見えない。
坂井はどこ?
「愛川、びっくりすんなよ」
目にかぶさってたものが取れて、視界が明るくなる。
けど、ぼやけて見えない。
少しずつ見えてくる景色をみてあたしは声を失う。
「ここって…」
「愛川の行きたかった場所…だよな?探したんだ。嫌なことを忘れるところ。俺伝えたいことあるんだ。」
「俺、愛川お前のことが好きだ。
すげぇ好きだ」
「う、そ。」
「嘘でこんなこといえっかよ。
返事聞かせて…」
「あたしも坂井が好きっ」
そう言うと坂井に思いっきり抱きついた。
「マジで?夢じゃねぇよな」
「夢じゃないよ」
そう言ってもっと強く抱きしめた。
「やべぇ、今さいこーに幸せだ……」
強く強く抱きしめられた。
たくさんの星が空には輝いてた。
まるで、あたしたちを祝福しているようだった………。